相続ブログ

2020年8月21日 金曜日

私道の調査-相続した土地の売却-

Tさんは一人暮らししていた被相続人(母)の土地・建物を相続しました。建物は木造で築50年、公道から奥まったところに建築されており、公道から玄関まで通路としている私道を、近隣の地権者と一緒に利用していましたが、不動産会社に土地の売却を相談したところ、思いがけず現状のままでは売却できないことがわかりました。
接道義務を満たさないと建築不可
建物の敷地は、原則として、建築基準法上の道路に2m以上接道しなければ、新築や増築できず、そのままでは売却できる土地になりません。
Tさんの敷地は私道部分が路地状敷地で、出口側で公道と2m接していませんでした。

敷地が接道義務を満たしているかは、まず法務局で公図、地積測量図を見て、土地の形状、隣地や道路との境界を確認します。
次に、敷地が接する道路について、市区町村の役所で指定道路図を閲覧し、建物を建築できる敷地に該当するか、該当させるための条件を担当者に照会します。
私道が位置指定道路や、セットバックを要する2項道路に該当しているか、私道部分が路地状敷地である場合は、出口側で接する道路の指定状況を確認します。
Tさんは、隣接する土地を地権者と一緒に売却して2mを確保することとしました。

越境により建築できない場合も
土地の売却前に、隣地との境界について確定測量を行います。隣地からの越境は、隣地地権者の立ち会いのもと、境界確認と合わせて越境の状況を双方で確認します。
Tさんは、確定測量の結果、隣地建物の外壁やドア、換気用フードなどが私道部分に越境しており、まだ2mの接道義務を満たせていないことがわかりました。

地権者間で権利調整が必要
越境が確認された場合、建物が建築できる土地になるよう、隣地地権者と話し合い越境解消について合意が必要です。
Tさんの場合、買主の不動産会社が役所に出向き、建築できるための条件を相談し、役所が示した要件に合わせて隣地地権者と越境解消の工事手順と負担について話し合い、土地を売却できるようになりました。

投稿者 内山篤税理士事務所 | 記事URL

2020年8月 6日 木曜日

配偶者居住権は譲渡性資産か

配偶者居住権への昨年の税制措置
 平成30年の民法改正で創設され本年4月1日から制度がスタートしている配偶者居住権等については、その権利設定期間中の権利放棄や合意解除は可能と解されるものの、民法では、終身性の一身専属権ゆえ「配偶者居住権は、譲渡することができない」と規定されています。
昨年の税制改正で相続税法に配偶者居住権等の評価規定が定められ、その上で、配偶者居住権等消滅に当たり対価がなければ、贈与課税の対象となる、と通達で明らかにされているところです。
配偶者居住権消滅の場合の譲渡所得
本年改正では、収用や権利消滅で補償金や権利消滅の対価を受け取り、その結果、配偶者居住権等が消滅するときは、譲渡所得の計算をすることになりました。
 収用による配偶者居住権等の権利消滅の直接の相手は収用機関で、権利消滅の対価は譲渡収入とみなすとのみなし譲渡の規定になっています。
また、収用に限らず、配偶者居住権等の権利消滅一般の場合の規定も作られ、自動的に譲渡所得の計算をするとされ、こちらについてはみなし譲渡の文言はありません。
改正税法と民法規定との関係
みなし譲渡なら、民法の譲渡不可の規定と矛盾しないかもしれませんが、対価のある配偶者居住権の権利消滅につき無条件に譲渡所得計算をする、ということになると、配偶者居住権を譲渡性資産と認定するに等しく、民法との矛盾は明確です。
 その上、収用では、借地権の場合と同じく、配偶者居住権者と所有者の両方が譲渡当事者となることを前提としていますが、税法は、収用以外の譲渡一般でも、そのようなケースが生じることを想定しているのかもしれません。
譲渡課税が当然との体制整備は未だ?
収用による権利消滅が譲渡で、土地建物所有者との合意や放棄による権利消滅も譲渡で、その他収用類似の権利消滅もみな譲渡だとすると、配偶者居住権は自ずと居住用の財産と認識されますので、居住用財産の3000万円控除、軽減税率、買換え特例の適用などについての手当が必要になってくるように思われます。
これらについて法改正を今年の4月1日以後に向けて何故に用意してないのか、不思議です。

投稿者 内山篤税理士事務所 | 記事URL

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